くうねるあそぼー

急に何かにはまる癖があります。色々やってみる雑記ブログです。仕事は不動産屋さん。人の人生に関わるこの仕事なので、日々思う事・感じる事が多くて、どうしようもなくなってブログ始めました。どうかゆるい目線でお付き合い下さい。

地上げなんかもするのだ(不動産屋さんのお仕事日記③)

二つの市をまたぐ山間部で、

キャンプ場用地を探すというお仕事。

そう簡単ではないのだ。

だけど、もう限界!という所まで、地上げは達していない。

 

 

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とある集落の方に、アポが取れた。

ところが前日に、

この市で初めてのコロナ患者が出てしまった。

 

予定通り伺うと、

コロナウィルスをめちゃくちゃ心配するお嫁さんに

あからさまに毛嫌いされた。

 

 

ご主人が、

「このままじゃ、ここは廃れる。話だけでも聞かないと分からないだろ」

一括してくれるので、ますます、お嫁さんが私を嫌う感じがした。

 

私の車に乗車してもらって、旦那さんお勧めの土地を見に行く事にした。

お嫁さんから「窓あけて!」と言われた。

「マスク持って行かない!」と言い張る旦那さん。

私の手持ちのマスクを、一枚、旦那さんにあげると、

お嫁さんの私への態度は一遍した。

 

案内された場所は、

信じられなくらい、

とてもとても、美しい湖のほとりだった。

 

バブルがはじけて、誰も利用していないテニスコートが8面もある。

昔のリゾート施設跡地だった。

 

「所有者は誰で、管理はここ」ご主人が教えてくれた。

「管理会社に話、聞いてみて連絡するよ」

 

すごい!!

マスク効果。

 

 

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どうやら、この山は

Z社というレジャー施設会社が、

山全体の半分の実権をにぎっているらしかった。

 

地主でも、森林組合でもなく、

ここで何かを始めるならば、たいがいは、

Z社にお伺いをたてねばならないらしかった。

 

ご主人に

「俺の名前ださないで。まずは電話してみな」と言われた。

 

Z社に電話するも、あっけなくあしらわれたが、

あきらめなかった。

 

すると、

「お茶飲みくらいなら付き合います」と

約束を取り付ける事ができた。

会いに行った。

 

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田舎を開拓したという話は、

たいがい、異端児がきっかけとなって成功している。

 

私が住むこの田舎にも、

そんな異端児を待っている、素敵な場所がある。

 

でも、田舎は新参者を歓迎したりはしない。

 

では、この山間部はどうか?

 

確かに、閉鎖的ではあったが、

”このままではいかん”と危惧する方もいたし、

ふとしたきっかけで、流れが変わる事もある。

 

あの1枚のマスクの様に。

 

 ここが賑わえば、お金が生まれるのは間違いない。

Z社は、どう思っているのだろうか?

 

 

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Z社の敷地

応接室に通され、K常務を待つ。

 

飾ってある賞状、

本棚の書籍、

貼ってあるポスター、

一通りチェックして待つ。

 

 話ベタな私は、雑談できるネタが散らばっていないかを探す。

 

 

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K常務は、とても陽気なおじさまだった。

 

 

陽気なおじさまは、要注意なのである。

陽気にみせて、こちらを観察しているのだ。

 

 

 

実際、電話で冷たくあしらわれているのだから、

気を付けねばならない。

 

 

 

名刺を交換するやいなや、

明記されてる資格に触れてくれた。

 

「こんなに持ってんの?すごいじゃない?」

 

「私、高卒なものですから、

資格でカバーするしかないと思って

色々取ってみました。

こんな奴ですが、どうぞ宜しくお願いします!」

 

 

K常務の顔が、一瞬変わった気がした。

 

 

K常務は色々な話をしてくれた。

 

「私は勤続45年でね、色々な人を見て来た。

人っていうものは、人とは思えない行動を、

時にする生き物なんだよ。

だから、ここ(湖)で何かするというのは、

簡単には良しとは言えない。

本当にね、人って怖いんだよ。

45年、様々な事があった。

18才からずっとここで働いているからね。

私も高卒なんだよ」

 

 

結局2時間半も、おしゃべりをした。

 

 

…と、K常務の携帯が鳴った。

外せる席もなく、会話を聞き耳する。

 

K常務は、

「商工会の連中は、ばかばっかりなんだよ。

この先の事、何も見えてない奴らと話しても無駄だ。

俺の前に、バカを連れてくるなっつーんだよ」

と、豪快に話していた。

 

私に聞こえる様に言っているのだろう。 

 

俺はこういう奴さ。

さぁ、お前さんはどう出る?

と…。

 

 

 

「俺と関わると皆出世するんだ。

今の電話は銀行の奴。

まず第一弾としては、今日の所は、この辺かな?

 

「まず第一弾として、とおっしゃって頂いたという事は、

またお会いして頂けるという事ですね?」

 

「まぁ、まず、こういう話があったという事は、

社長にも伝えておくよ

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

 

  

私のクライアントについて、

言葉で説明しても伝わらないと思い、

パワポで紹介資料を作成していった。

 

もちろんクライアントにも事前に添削してもらった。

 

物件資料ではなく、クライアントの会社情報を資料化するなんて、

もはや、不動産屋の仲介業の域を超えてる。

 

 

なぜ、そこまでするのか?

 

 

 

 

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Z社と縁を築きたいからだ。

 

そして、私が最も尊敬している奇才の投資家さん

あの方に、縁をつなぐのだ。

 

 

きっとあの方なら、

異端児となって田舎を改革してくれるに違いない。

 

 

想像するだけでワクワクする。

 

 

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自分が少しでも携わった仕事が、

何倍にも何百倍にも変化する。

 

その場所を通ったり、利用したりする度に、

不動産業は楽しいと感じる。

 

この仕事が楽しいと思える瞬間で

私はその一瞬の為に、

こつこつタスクをこなしていく。

 

 

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ガーデンウエディングも叶えたい


 

 

Z社は、

この冬、コロナウィルスと暖冬の雪不足で、

1ヶ月で1憶円の売上ダウンだったそうだ。

 

以前から、夏場のゲレンデ活用を模索していた。

 

「ここのポイントで星空観察会をやってみたいんだ…」

K常務は、私の利用価値を少しでも感じてくれたらしかった。

 

クライアントに、それを話そう。

そこのアイディアは、

仲介業の仕事ではない。

 

 

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綺麗な菜の花畑

 

何だかすごい仕事をした様な気になったが、

 

肝心な”地上げ”ではない方向に向かっていると分かっている。

 

Z社は売却しないだろう。

 

一時利用としての賃貸借契約になるだろうけど、

私の会社は”売買”専門。

会社には貢献できないのだ。

 

完全に、自分の人脈形成の為に、行動している。

 

めちゃくちゃ、楽しい。

 

さて、会社に何て報告しよかな。

辻褄合わせのセリフを考えながら、帰社するのだった。

 

 

 

さてさて、このお仕事、どうなる事やら…

 

 

 

 

 

今日のおやつ

 

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紅いも と かぼちゃのマカロン



娘の中学校の入学祝いに好物のマカロンを作りました。

おっきいと、あまりキレイに仕上がりません。

まるでカントリーマーム(笑)

次は、ちっちゃいの作ろ~。

 

 

 

過去記事:

 

kuunerube.hatenablog.com

 

 

kuunerube.hatenablog.com